1997年度将来問題検討委員会報告

10月2日(14:30~17:00)九州大学六本松地区本館第1会議室において,山根正気(委員長),青木重幸,石井 実,嶌 洪,田中誠二,友国雅章,内藤親彦,中筋房夫,中西明徳(編集委員長),上宮健吉(庶務幹事),緒方一夫(会計幹事)が出席して開催された. 本委員会は「学会の在り方を討議し,機関誌を含めてより魅力的な学会にする方策を立てる」という大きな課題を担っている. これまでの数回の通信による各委員の意見交換をふまえ,今回の最初の委員会に向けて次の4つのテーマについて各委員が分担して具体的な検討を行ってきた.

  1. 学会会計の改善(青木,緒方),
  2. 会誌の改革(中西,嶌 ,石井,加藤),
  3. 学会賞(中筋,内藤,田中),
  4. 学会の性格と社会的活動(田中,上宮,緒方).

これらの報告に基づき,また早急な学会改革の実現を強く求める正木編集委員の提案からも,本委員会では当面の緊急課題として次の3点(会誌の改革, 財政の健全化,学会賞)を取り上げ,集中して討議した.

その結果,次のような結論をえてそれを評議員会に報告した.

  1. 会誌の改革:英文誌と和文誌に分割する.英文誌はタイトルを "Entomological Science" として第1巻から始め,年4回発行する.これには埋め草的な短報を廃止しすべての論文の体裁を統一する.版のサイズを国際版とし,表紙のデザインも一新する.和文誌は「昆蟲」"Japanese Journal of Entomology"を踏襲し,巻号もそのまま継承する.内容は総合的なものとし,和文原著論文,総説,短報,英文誌の抄録に加えて,書評,大会案内,会記などのニュースレター的なものを掲載し,少なくとも年に2回は発行する.
  2. 財政の健全化:学会事務センターと学会の会計年度が一致していないことから生じる混乱を防ぐため,学会事務センターからは適宜情報をえるよう努力する.現在の複雑な会計帳簿を明確化するため貸借対照表の適用などを検討し,本委員会の任期中にその結論を学会長に報告する.
  3. 学会賞:「若手・中堅の会員の業績の顕彰を念頭においたなんらかの賞の創設を考えるべきである」とするワーキンググループの中間報告を評議員会に報告する.賞の具体的な内容はワーキンググループで引き続き討議したのち,本委員会の任期中に会長に報告する.